外壁塗装30坪の費用相場はいくら?延床面積で見積もり計算してみた
自宅の外壁塗装を検討する際、誰しもが気になることが「費用はいくらになるか?相場はいくらなのか?」というお金の心配ですよね。
外壁塗装は、住宅リフォームのなかでも価格帯が不透明な工事です。同じ30坪の塗り替え工事でも、依頼する業者によっては数十万円の差が出るなんてことも!
少しでもお得に済ませるためにも、外壁塗装の費用相場を知っておくことはとても重要なことです!
そこで今回は、元外壁塗装職人で外壁アドバイザーの資格を持つ尾崎シゲルが、延床面積30坪の費用相場について詳しく解説したいと思います!
外壁塗装の見積もりができる簡単な計算式もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい!
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外壁塗装は建坪ではなく延坪(延床面積)で計算する
私が塗装店で勤務していた時、多くの方が勘違いしていたのですが、外壁塗装で見積もりを計算する時は、延坪(延床面積)を用いります。
外壁塗装業者に見積もりを依頼すると、必ず「ご自宅の延坪は何坪ですか?」と聞かれますが、その際に「建坪」を伝えてしまうお客様が稀にいます。外壁塗装は「延坪(延床面積)」なのでお間違いなく!
延坪(延床面積)が分からない場合は、お部屋の間取りでもOK!
- 延坪…建物の床面積(1階+2階)
- 建坪…建築物が立っている土地の面積
延床面積が30坪の2階建であれば建坪は15坪ほど、建坪が30坪で2階建であれば延坪面積は60坪ほどになります。
最終的な見積もりは現地調査で行われるため、そこまで大きな問題ではありませんが、電話越しの概算見積で業者を比較する際は注意しましょう!
それでは「外壁塗装30坪の費用相場」を見ていきましょう。
外壁塗装30坪の費用相場は約87万円
結論から言わせていただきます。外壁塗装30坪の費用相場は約87万円です。後に計算式を交えて解説しますが、安くても60万円、高くても120万円が相場の範囲となっています。
安値と高値の60万円の開きですが、こちらは使用する塗料の種類(グレード)によって決まります。
塗料の種類(グレード) | 耐用年数 | 単価(㎡) |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5年 | 1,400円 |
ウレタン塗料 | 10年 | 2,000円 |
シリコン塗料 | 10~15年 | 2,500円 |
ラジカル制御形塗料 | 12~15年 | 3,000円 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 4,000円 |
光触媒塗料 | 15~20年 | 4,500円 |
無機塗料 | 20~25年 | 5,000円 |
塗料の種類(グレード)の価格差は耐久性の違いです。アクリル塗料は安価ですが耐用年数が短く、無機塗料は高価ですが耐久性が高くなっています。
ちなみに、外壁塗装で最も選ばれているのが、コストパフォーマンスに優れているシリコン塗料です。
ですので、外壁塗装30坪の費用相場ではシリコン塗料の使用を想定して約87万円と算出されています。
ただし、87万円というのはあくまで相場。条件次第では、相場よりも安くなったり、高くなったりもします。
では、どういった条件で価格が上下するのでしょうか?その理由を解説していきます。
外壁塗装の色が増えれば費用相場は高くなる
外壁塗装で施主様が一番こだわるポイントが色ですよね。外壁の色が変わると新築みたいに生まれ変わるから、とても楽しそうに色選びをされています。
1階と2階で別色のツートンカラーにしよう、幕板はこの色、雨戸はこの色で、軒天井はこの色、雨樋はこの色にしよう!
楽しそうにカラーシミュレーヨンされているご夫婦はとても楽しそうですが、塗装業者は内心、こう考えています。
ステキですね〜(ツートンカラーは高くなるよ、付帯部は全部同色でいいでしょ…)
数十年に1度の外壁塗装、色にこだわりたい気持ちは分かりますが、イメージが膨らみすぎていろんな色(塗料)を使えば、それだけ費用は高くなります。
「色の数=使う塗料の数」だと思って下さい。使う塗料が増えれば、材料コストも増えます。
また、選んだ色によっては数種類の塗料を混ぜて色を作り出す「調色」という作業も必要になります。
調色は技術と経験が求められるため、場合によって調色が得意な職人さんを助っ人として呼び、人件費が高くなってしまう場合もあります。
外壁塗装を安く済ませたいなら、色は出来るだけシンプルに!調色が要らない無難な色を選びましょう!
同じ30坪でも平屋と2階建てでは費用相場は異なる
平屋であっても、2階建であっても、3階建であっても、外壁面積は延床面積に応じて一定です。しかし、ここで注意したいのが足場面積。同じ延坪30坪でも、平屋、2階建、3階建では足場費用が異なります。
階層 | 延床面積 | 外壁面積の目安 | 足場面積の目安 |
---|---|---|---|
平屋 | 30坪(99㎡) | 118.8㎡ | 178.2㎡ |
2階建 | 30坪(99㎡) | 118.8㎡ | 198㎡ |
3階建 | 30坪(99㎡) | 118.8㎡ | 277.2㎡ |
外壁塗装の費用相場は2階建を想定して算出されていますが、平屋や3階建だと、足場費用の分だけ微妙に金額が異なるので注意しましょう。
ちなみに屋根面積は、同じ延床面積30坪でも平屋だと広くなり、3階建だと狭くなります!
外壁の下地処理の有無で相場費用は異なる
新築以来、外壁塗装なんて一度もやったことない。それどころか、所々、塗装が剥がれていたり、ひび割れしてる箇所がある…。
何も珍しい話じゃありません。私の経験上、定期的に外壁メンテナンスしているお家の方が、圧倒的に少ないわけですから。
私の実家も築25年目にして初めて外壁塗装しましたからね笑
ただ、外壁に「塗装剥がれ」や「ひび割れ」といった劣化が見られる場合、下地処理という作業が必要になるため、見積もり費用が相場より高くなると理解しておきましょう。
外壁塗装は下地が肝心です。まずは、塗装の剥がれやひび割れを綺麗に直してからでないと、その後の仕上がりに大きく関わってきます。
下地処理?ちょっとくらいのひび割れなら、そのまま塗っても大丈夫じゃない?
仮に、下地処理をケチって、ひび割れの上から塗装したらどうなるか?
塗装後、数日間はキレイに見えるでしょう。塗料がひび割れの隙間を埋めてくれます。しかし、ひび割れ箇所は外壁面に溝がある状態。塗膜の厚みが均等でないため、数ヶ月後に変色し、塗装が剥がれ、再びひび割れます。
下地処理を行わないような手抜き業者は、当然、保証もありません!残念ながら泣き寝入り確定です!
立地環境や地域で相場費用が異なる理由
同じ30坪でも、ご自宅がどういった場所に建っているか、立地環境や地域でも外壁塗装の費用相場は異なります。
例えば、都心部のような狭小住宅街。足場を組み立てる際に、搬入用の2tトラックがベタ付け出来ない現場では、わざわざ軽トラに乗せ換えて搬入したり、職人が何往復もして運ぶという工程が発生します。
なかには、サービスで行っている業者もありますが、「搬入作業」として見積もりに記載されていても仕方ありません。
あとは海が近いお宅。
コンクリートや窯業系サイディングといった外壁材は、潮風による塩害に弱くて劣化しやすいため、下地処理の段階で大規模な修繕が必要になる場合もあります。
また、幹線道路など交通量が多い道に面しているお宅は、車の排気ガスによるスス汚れが目立ちます。こうした汚れは別の汚れの原因となって、苔やカビの発生にも繋がります。
他にも、雨量が多いエリア、台風が多いエリア、雪が多く降るエリアなど、天候によって外壁塗装工事を行える時期が限られている地域は、需要と供給のバランスで相場費用が他とは異なるケースもみられます。
自身の自宅の立地環境を再確認することで、外壁塗装の費用相場を確認する参考になります!
外壁塗装30坪の費用相場がわかる計算式
次は、私が塗装店に勤務していた際に使用していた、外壁塗装の概算見積もり計算式を使って、30坪の費用相場を計算してみました。
計算式といっても難しいことはありません、数字を当てはめながら電卓を打つだけの簡単な計算です。
「30坪」で相場を検索したけど、31坪や32坪の相場費用が知りたいという方は試してみて下さい。
外壁面積の計算式
まずは外壁面積を求める計算から。計算式は以下になります。
- 3.3=1坪3.3㎡
- 1.2=外壁塗装工事の係数が1.1~1.3のため平均で1.2を使用
建物の延床面積30坪の場合だと、外壁面積は「118.8㎡」となります。30~39坪の外壁面積は以下になります。
坪数 | 外壁面積 |
---|---|
30坪 | 118.8㎡ |
31坪 | 122.8㎡ |
32坪 | 126.7㎡ |
33坪 | 130.7㎡ |
34坪 | 134.6㎡ |
35坪 | 138.6㎡ |
36坪 | 142.6㎡ |
37坪 | 146.5㎡ |
38坪 | 150.5㎡ |
39坪 | 154.4㎡ |
足場面積の計算式
次に足場面積を計算していきます。どれくらいの規模の足場が必要になるかを求める計算で、平屋、2階建て、3階建てで係数が異なるので注意して下さい。
- 3.3=1坪3.3㎡
- 1.8、2、2.8という数字はそれぞれ足場面積の係数です
延床面積30坪の建物の足場面積は平屋で「178.2㎡」、2階建てで「198㎡」、3階建てで「277.2㎡」となります。こちらも、30~39坪で表にまとめました。
坪数 | 平屋の足場面積 | 2階建ての足場面積 | 3階建ての足場面積 |
---|---|---|---|
30坪 | 178.2㎡ | 198㎡ | 277.2㎡ |
31坪 | 184.1㎡ | 204.6㎡ | 286.4㎡ |
32坪 | 190㎡ | 211.2㎡ | 295.6㎡ |
33坪 | 196㎡ | 217.8㎡ | 304.9㎡ |
34坪 | 201.9㎡ | 224.4㎡ | 314.1㎡ |
35坪 | 207.9㎡ | 231㎡ | 323.4㎡ |
36坪 | 213.8㎡ | 237.6㎡ | 332.6㎡ |
37坪 | 219.7㎡ | 244.2㎡ | 341.8㎡ |
38坪 | 225.7㎡ | 250.8㎡ | 351.1㎡ |
39坪 | 231.6㎡ | 257.4㎡ | 360.3㎡ |
単価表に当てはめる
外壁面積と足場面積が導き出せれば、最後は単価表に当てはめるだけ。単価表は、過去に私が取材した塗装店36社の平均値を参考に作成しました。下記、延床面積30坪(2階建)の場合の見積もり結果です。
「足場」と「メッシュシート(飛散防止)」は足場面積で計算、その他は外壁面積で計算します。
項目 | 単価(㎡) | 費用 |
---|---|---|
足場 | 600円 | 118,800円 |
メッシュシート(飛散防止) | 100円 | 19,800円 |
高圧洗浄 | 200円 | 23,760円 |
養生 | 200円 | 23,760円 |
下塗り(シーラー) | 800円 | 95,040円 |
中塗り(シリコン塗料) | 2,500円 | 297,000円 |
上塗り(シリコン塗料) | 2,500円 | 297,000円 |
合計 | 875,160円 |
塗料グレードは一般的なシリコン塗料(2500円/㎡)の使用を想定した結果、30坪の外壁塗装の見積もり結果は約87万円になります。
こちらは、本記事の冒頭で述べた「外壁塗装30坪の費用相場は約87万円」とほぼ同額になりましたね。
30〜39坪の見積もり結果は以下になります。
坪数 | 概算費用 |
---|---|
30坪 | 875,160円 |
31坪 | 904,332円 |
32坪 | 933,504円 |
33坪 | 962,676円 |
34坪 | 991,848円 |
35坪 | 1,021,020円 |
36坪 | 1,050,192円 |
37坪 | 1,079,364円 |
38坪 | 1,108,536円 |
39坪 | 1,137,708円 |
一点、注意して頂きたいことがありまして、こちらは外壁塗装だけの概算費用になります。この他に「シーリング打ち替え」「付帯部塗装」「下地処理」といった費用が必要に応じて追加になります。
外壁塗装の見積もり計算式を使って、ご自身で費用相場を調べることが出来れば、少なくとも悪質業者に騙されることはないでしょう!
30坪台の外壁塗装施工事例
最後に、延床面積が30坪台の外壁塗装施工事例をご紹介します。エリアや築年数、外壁材などの違いも参考にしてみて下さい。
外壁塗装費用:91万円(千葉県 戸建 31坪)
住所 | 千葉県船橋市八木が谷 |
---|---|
築年数 | 築10年 |
外壁面積 | 123.00㎡ |
外壁材 | 窯業系サイディング |
塗料グレード | シリコン塗料(水性) |
その他 | シーリング打ち直し、下地処理2カ所 |
工期 | 3週間 |
外壁塗装費用:118万円(東京都 戸建 33坪)
住所 | 東京都世田谷区桜上水 |
---|---|
築年数 | 築18年 |
外壁面積 | 131.00㎡ |
外壁材 | 窯業系サイディング |
塗料グレード | フッ素塗料(溶剤系2液型) |
その他 | シーリング打ち直し |
工期 | 2週間 |
外壁塗装費用:121万円(埼玉県 戸建 35坪)
住所 | 埼玉県川口市上青木 |
---|---|
築年数 | 築22年 |
外壁面積 | 118.00㎡ |
外壁材 | 窯業系サイディング |
塗料グレード | シリコン塗料(溶剤系2液型) |
その他 | シーリング打ち直し、屋根塗装(面積61㎡) |
工期 | 3週間 |
外壁塗装は専門業者に直接依頼するのが最安値
最近では、ホームセンターや家電量販店でも、外壁塗装工事を行なっていますね。有名な企業だし、いつも買い物に行くから安心できるという理由で、お願いする方も多いことでしょう。
しかし、実際のところは工事の全てを下請け業者に委託しているってご存知でしたか?
ホームセンターや家電量販店が行うのは窓口業務だけ。お客様の要望を聞いて、あとは提携する近くの外壁塗装業者に丸投げです。
それでもって、仲介マージンが発生するため、外壁塗装業者に直接依頼するよりも高くなってしまいます。
マージンが上乗せされるので、相場より安くなることは絶対にありえません。ですので、外壁塗装を行う際は、ホームセンターや家電量販店ではなく、外壁塗装業者に直接依頼しましょう!
外壁塗装は相場を調べるより見積もってもらった方が確実
外壁塗装っていくら掛かるの?
みんなは外壁塗装にいくら払ったの?
外壁塗装を検討している方の多くが、まずは費用相場を気にしているんですよね。
でもやっぱり、相場は目安でしかなく、その値段通りに外壁塗装が出来るという確証はありません!
当たり前ですが、お家は一軒一軒違います。窓の位置も違えば、外壁面積の大きさも違うし、足場だってどう組むかによって費用が異なります。
外壁塗装にいくら掛かるのか?を本気で知りたいのであれば、業者に見積もってもらった方が確実です。見積もりだけならどこも無料でやってくれますし、業者側も複数業者で相見積もりされることは百も承知です。
時間を掛けて外壁塗装の相場費用を調べるのではなく、本当の費用をプロに教えてもらいましょう!
外壁塗装業者はどうやって探せばいい?
ホームセンターや家電量販店は相場より高いのでダメ!リフォーム工務店も結局は外壁塗装業者に委託するため、仲介手数料が掛かってしまいます!
ですので、外壁塗装や屋根塗装を安く済ませたいなら、お近くの外壁塗装業者に依頼しましょう!
外壁塗装業者に直接依頼すれば、地域差安値となります!
でも、外壁塗装業者ってどうやって探せばいいの?
インターネット検索やチラシをチェックするのは、なかなか面倒ですよね!また、外壁塗装は、最低でも3社以上に見積もりを依頼して、金額や施工内容を比較することが大切です!
ですが、1社1社に問い合わせて、電話に出て、見積もり日時を調整して、選ばなかった業者に断りの電話をして…と、かなり面倒ですよね!
平日は仕事で忙しいし、休日はゆっくり休みたいから、そんな時間はないんだよなぁ~
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