外壁塗装の予算費用の目安とは?賢い決め方を元塗装職人が解説
外壁塗装は突き詰めるとキリがないリフォームです。
高品質な塗料を使えば、それだけ耐久性の高い外壁に生まれ変わりますし、工期をかければ、それだけキレイな仕上がりになります。
しかし、外壁塗装にこだわればこだわるほど、費用が高額になることは言うまでもありません。
そこで大切なことが予算決めです。
今回は、外壁塗装の予算感がわからない、外壁塗装に不安を抱いている方のために、元塗装職人で元工務店営業マンだった私「尾崎シゲル」が、予算費用の目安と、賢い決め方をご紹介したいと思います。
予算の目安が分からない、予算の決め方が分からない、という方はぜひ参考にしてみて下さい。
初めての外壁塗装でいくら掛ければいいか分からない方は必見です!
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外壁塗装は必ず予算の目安を決めること
私が勤務していたリフォーム工務店では、予算が決まっていないお客様は「格好の餌食」と言わんばかりの扱いでした。
「予算は決まっていない=お金に余裕があるお客」として狙いを定め、あれやこれやとプランを紹介して、全力で稼ぎに行くわけです。
いつもは不在の専務を交えて社内会議。まだ認知すらされていない高価な塗料、緊急性を要しない外壁補修、その他、余計なオプションなど、とにかく見積もりには何でも盛り込むようにしていました。
こんな悪質な経営が嫌で退職したのですが、今思い返しても施主様の気持ちを無視したヒドイ営業方法でした…
また、予算が決まっていないお客様に限って、十中八九、値引き交渉はされません。リフォーム工務店の言い値で成約に至る場合がほとんどでした。
ちなみに、リフォーム工務店が最初に提示する金額は、適正価格の約1.5倍です。「端数分はお安くしておきました」なんて、雀の涙程度の値引きに騙されてはいけません。
こうした悪質な営業方法に、少なからず関わっていた者として大変お恥ずかしい限りですが、リフォーム業界の過剰見積もりは日常茶飯事です。
特に、外壁塗装は決して安くはないリフォーム工事。大きな買い物です。
ですので、車や家を購入する場合と同様に、あらかじめ「いくらまで」といった予算を決め、その予算内で施工内容を決めていくことが何よりも重要になります。
この「予算」という主軸がしっかり確立されていれば、後の見積もりもスムーズに進み、無駄のない納得いく外壁塗装を終えることができるでしょう。
戸建ての外壁塗装は予算100万円が目安
戸建ての外壁塗装にかかる費用相場は約100万円といわれています。ちなみに、アパートの外壁塗装は200〜300万円、マンションになると500万円以上となっています。
ですので、戸建ての外壁塗装は、まず「予算100万円」という目安を設定しましょう。
この「予算100万円」という目安を設定した上で、「塗料の種類(グレード)」「塗装箇所(外壁以外の付帯部やフェンスなど)」などをどうするか、明確にしていくと良いでしょう。
まずは「最低でも100万円は掛かる」といった認識でいましょう!
坪数で異なる外壁塗装の予算目安
建物の坪数から塗装面積を想定し、その結果から導き出した外壁塗装の予算の目安が以下の表になります。
坪数(延坪) | 塗装面積 | 予算の目安 |
---|---|---|
15坪以下 | 60㎡ | 50万 |
15~30坪 | 60~118㎡ | 50~100万 |
31~45坪 | 122~178㎡ | 100~150万 |
46~60坪 | 182~237㎡ | 150~200万 |
61~75坪 | 241~297㎡ | 200~250万 |
76~90坪 | 300~356㎡ | 250~300万 |
91~105坪 | 360~415㎡ | 300~350万 |
106坪以上 | 419㎡~ | 350万~ |
平均的な一般住宅の坪数は35〜40坪ですので、多くの場合の予算はだいたい100万円前後になるかと思います。
ただ、「きっかり100万円」ではなく少し余裕持って120万円ほどにしておくと、工事の選択肢が大きく広がります。
外壁塗装の塗料の単価を理解しよう
次に確認すべきは、外壁塗装で使用する塗料の単価です。外壁塗装の費用は、使用する塗料(グレード)で決まると言っても過言ではありません。つまり、どういった塗料を選ぶかがとても重要。
外壁塗装で使用される塗料の耐用年数と単価相場を、以下の表にまとめました。
グレード | 耐用年数 | 単価(㎡) |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5年 | 1400円 |
ウレタン塗料 | 10年 | 2000円 |
シリコン塗料 | 10~15年 | 2500円 |
ラジカル制御形塗料 | 12~15年 | 3000円 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 4000円 |
光触媒塗料 | 15~20年 | 4500円 |
無機塗料 | 20~25年 | 5000円 |
耐用年数が高くなれば、単価も高くなりますが、外壁塗装はまた数年後に行わなければいけないリフォームです。
今年は予算が限られているからシリコンにしよう!
前回はシリコンにして汚れが気になったから、今年はフッ素を試してみようかしら!
年齢的に最後の外壁塗装になると思うから、息子たちのために無機塗料にしよう!
といった具合で、目的に合わせて塗料のグレードを選ぶと良いでしょう。
外壁塗装工事の費用の内訳は約3割が材料費
ここでちょっと余談ですが、外壁塗装工事の費用の内訳は、約3割が塗料などの材料費となっています。
ですので、先ほどの塗装面積の目安と、こちらの塗料単価を照らし合わせて算出された金額が、外壁塗装費用の総額の3割になるという考え方も可能です。
延坪35坪で想定される外壁塗装費用の総額が以下。
延坪 | 35坪 |
---|---|
塗装面積 | 130㎡ |
塗料単価 | シリコン 2500円 / ㎡ |
材料費(全体の約3割) | 32万5000円 |
想定される外壁塗装費用の総額 | 約108万円 |
あくまで想定に過ぎませんが、こういった角度から外壁塗装の予算を決める方法もあります!
外壁や屋根の補修費用が発生しないか確認
外壁にヒビ割れ(クラック)や粉吹き(チョーキング)が見られたり、屋根の破損といった箇所がある場合は、まず補修が必要になります。
また、手すりや階段といった鉄部は、サビや古い塗膜を剥がしてから塗装となりますので、そういった作業費用も想定する必要があります。
小さな補修であれば塗装前の下地調整に含まれて安価ですが、塗装に支障をきたすレベルの大きな補修は外壁張替えなどの別途費用となるでしょう。
補修内容にもよりますが、1日2万円+材料費が補修費用の目安となります。
追加費用に驚かないためにも、あらかじめ補修箇所のチェックはしておきましょう!
外壁塗装・屋根塗装の単価表
もっと明確な予算を組みたい方のために、外壁・屋根塗装工事の見積もり単価を表にしてみました。
見積もり単価は業者によって異なりますが、私が以前勤めていた塗装店の単価表を参考にしてみて下さい。
項目 | 単価(㎡) |
---|---|
足場 | 600~800円 |
屋根足場 | 600〜800円 |
メッシュシート(メッシュネット) | 100円 |
高圧洗浄 | 200~300円 |
養生 | 200円 |
下塗り(シーラー) | 800~1000円 |
中塗り(グレードによる) | 1400~5000円 |
上塗り(グレードによる) | 1400~5000円 |
付帯部塗装(破風・鼻隠し・軒天) | 1000円 |
項目 | 単価(m) |
---|---|
コーキング(シーリング)打ち替え | 800円 |
付帯部塗装(雨樋・水切り) | 1000円 |
項目 | 単価(枚) |
---|---|
付帯部塗装(雨戸・戸袋) | 1500円 |
項目 | 単価(箇所) |
---|---|
補修(クラック・雨漏り) | 2万円~ |
産業廃棄物処分費 | 2万円~ |
自宅の図面があれば詳細な見積もりを出せますが、かなり大変な作業になります…なので業者に見積もりを依頼した方が手っ取り早いです!笑
外壁塗装の予算は安すぎても高すぎてもダメ
外壁塗装の相場をイマイチ理解しておらず、あまりにも安すぎる予算を設定している方も見受けられます。
例えば「予算50万円」とした場合、おそらく大半の塗装業者は渋い顔をして請け負ってくれないことでしょう。
仮に予算50万円で請け負ってくれる業者が現れたとしても、それは悪質業者の疑いあり。
高圧洗浄なし、下塗りや中塗りなしの1回塗り、塗料は1番安価なアクリルを使用など、何かしらの手抜きをするでしょう。絶対に。
外壁塗装は「安かろう悪かろう」が顕著に出るリフォームです!
逆に予算が高すぎると、冒頭で申したように「お金に余裕がある客」として、狙われてしまうリスクも考えられます。
つまり、予算にも適正価格があるということです。
何も考えずに支払える金額を予算にするのではなく、根拠ある金額を予算にしましょう。
パック料金に騙されてはいけない
リフォーム工務店のチラシやホームページでよく目にする「外壁塗装コミコミ80万円」「外壁塗装おまかせプラン70万」といったパック料金。
分かりやすいから、お手軽だから、予算内に収まるからと、安易にパック料金で契約してはいけません。
相場よりもお得な価格にしているパック料金は、安価な塗料やコーキング材を使用したり、新人研修として利用される場合があります。
せっかく塗り替えても、すぐに塗料が剥がれたり、仕上がりが汚かったりでは本末転倒ですよね。
パック料金を勧められたらまず警戒。施工内容をちゃんと確認。絶対に騙されないようにしましょう。
何でもそうですが「安い理由はワケ」があります!
外壁塗装はケチると必ず損をする
外壁塗装は100万円を超える大きな出費。できる限り安く抑えたい気持ちは分かります。
しかし、外壁塗装は予算をケチるとかえって損する場合もあります!
塗料のグレードを例に、分かりやすく説明します。
先ほどの塗料単価の表を見返していただければ分かるとおり、安い塗料は耐用年数が短く、高い塗料は耐用年数が長くなっています。
外壁塗装は、また数年後に塗り直さなければいけない工事ですので、1度の塗り替えで何年持つのかも重要になってくるのです。
最も安いアクリル塗料と、コストパフォーマンスに優れたシリコン塗料で比較してみましょう。
グレード | 耐用年数 | 単価(㎡) |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5年 | 1400円 |
シリコン塗料 | 10年 | 2300円 |
見積もり金額は圧倒的にアクリル塗料の方が安くなりますが、耐用年数で考えればシリコン塗装1回分でアクリル塗装2回分となります。
下記の計算のように、仮に30年という期間で考えると、シリコン塗料の方が単価が安くなります。
30年 ÷ 5年(耐用年数) × 1400円(単価)
= 8400円(30年分の単価)
30年 ÷ 10年(耐用年数) × 2300円(単価)
= 6900円(30年分の単価)
また、耐用年数が短いアクリル塗料は、必然的に塗装回数が増えるため、外壁塗装工事のたびに足場費用、人件費も発生します。
1回きりの工事として考えるのではなく、10年先、20年先、30年先を考えて使用する塗料を選ぶ。これが外壁塗装で損しないための大切なポイントです。
塗料のコスパを数値化して比較
塗料のグレードが良ければ、耐用年数も長くなるということはご理解いただけたと思います。
しかし、耐久性ばかりに重点を置きすぎて、グレードの高い塗料にこだわってしまえば、予算を大きく超えてしまうでしょう。
塗料選びは、単価と耐久性のバランスがとても難しいのです!
そこで、塗料のコストパフォーマンスを数値化して比較する方法をご紹介します。
分かりやすいよう「アクリル塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」で比較してみました。
グレード | 耐用年数 | 単価(㎡) |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5年 | 1400円 |
シリコン塗料 | 10年 (アクリルの2倍) | 2500円 (アクリルの1.7倍) |
フッ素塗料 | 15年 (シリコンの1.5倍) | 4000円 (シリコンの1.6倍) |
表から分かるように、アクリル塗料からシリコン塗料にグレードアップした場合、価格が1.7倍に対して耐用年数は2倍となります。
一方、シリコン塗料からフッ素塗料にグレードアップした場合では、価格が1.6倍に対して耐用年数は1.5倍程度。
つまり、シリコン塗料からフッ素塗料にアップグレードするよりも、アクリル塗料からシリコン塗料にアップグレードした方がコストパフォーマンスに優れているということが分かります。
グレードの高い塗料の方が耐用年数は長くなりますが、どうしても予算という枠があります。
そういった際に、塗料のコストパフォーマンスを数値化して比較し、予算に似合った塗料を決めるという方法もあります。
助成金や補助金の活用も検討する
お住いの地域によっては自治体独自に助成金や補助金制度を行っており、外壁塗装や屋根塗装を含むリフォーム工事に活用できる場合もあります。
自治体によっては100万円単位で補助してくれるケースも珍しくないので、少しでも外壁塗装費用を安く抑えたい方は、検討してみて下さい。
各自治体の助成金・補助金情報は以下のページにまとめてあります。一度、お住いの地域で調べてみてはいかがでしょうか?
見積もりを依頼する前に予算費用の目安を決めよう
以上、外壁塗装の予算費用の目安と、賢い決め方の解説でした。多くの方は「ちょっと面倒だなぁ」と感じたことでしょう。
しかし、あらかじめ大まかな予算の目安を設定しておくことで「見積もり金額と想定していた金額が全然違う」といったミスマッチを防ぐことが出来ます。
見積もり金額が想定より安ければ良いのですが、びっくりするくらい高いとモヤモヤしたまま工事をお願いすることになりますからね。
ともあれ、外壁塗装は高額なリフォーム。お金の準備も必要になりますので、一度、予算の目安を考えてみることをおすすめします。
外壁塗装業者はどうやって探せばいい?
ホームセンターや家電量販店は相場より高いのでダメ!リフォーム工務店も結局は外壁塗装業者に委託するため、仲介手数料が掛かってしまいます!
ですので、外壁塗装や屋根塗装を安く済ませたいなら、お近くの外壁塗装業者に依頼しましょう!
外壁塗装業者に直接依頼すれば、地域差安値となります!
でも、外壁塗装業者ってどうやって探せばいいの?
インターネット検索やチラシをチェックするのは、なかなか面倒ですよね!また、外壁塗装は、最低でも3社以上に見積もりを依頼して、金額や施工内容を比較することが大切です!
ですが、1社1社に問い合わせて、電話に出て、見積もり日時を調整して、選ばなかった業者に断りの電話をして…と、かなり面倒ですよね!
平日は仕事で忙しいし、休日はゆっくり休みたいから、そんな時間はないんだよなぁ~
親切に対応してくれたから断りの電話って苦手で…
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