外壁塗装20坪の費用相場はいくら?プロが使う見積もり計算式で調べてみました!
外壁や屋根の塗り替え工事で一番心配なのは「お金のこと」ですよね!
実際に業者に頼むと、いくらになるのか検討もつかないし、そもそもどのようにして工事費用が決まっているのかさっぱり分からない…。
「外壁塗装の相場は100万円前後」って耳にするけど、それって何坪の相場?
とにかく外壁塗装は不安だらけ!
そんな、悩める施主様のために、今回は「外壁塗装20坪の費用相場」について、元塗装職人で外壁アドバイザーの資格を持つ、尾崎が詳しく解説したいと思います!
外壁塗装の簡易的な見積もりができる計算式もご紹介します!
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外壁塗装は建坪ではなく延坪(延床面積)で計算する
相場の話をする前に、まず、多くの方が勘違いしがちな外壁塗装における「坪数」について解説します。
外壁塗装を行う際、業者の方から「ご自宅の延坪は何坪ですか?」と聞かれて「建坪」を伝えてしまうお客様が稀にいますが、外壁塗装で見積もりで用いるのは「延坪(延床面積)」です。
「延坪」と「建坪」で少々紛らわしいですが、大事なポイントなのでお間違いなく!
- 延坪…建物の床面積(1階+2階)
- 建坪…建築物が立っている土地の面積
延坪が20坪の2階建であれば、建坪は10坪ほどになるでしょう。逆に、建坪が20坪で2階建であれば、延坪は40坪ほどになります。
繰り返しになりますが、外壁塗装における坪数は「延坪」です。相場を調べる際に「延坪」と「建坪」を勘違いすると、全く異なる金額が出るので注意してください。
では、本題の「外壁塗装20坪の費用相場」について詳しく解説していきます。
外壁塗装20坪の費用相場は約58万円
以前、建築雑誌の取材で塗装業者34社を対象に行ったアンケートでは、外壁塗装20坪の費用相場は約58万円という結果になりました。
最も安く請け負った業者で45万円、一番高い見積もりだった業者は75万円と、業者によっては30万円以上の開きがありました。
おそらく、選んだ塗料の種類(グレード)の違いによる金額の差だと思われます。
塗料の種類(グレード) | 耐用年数 | 単価(㎡) |
---|---|---|
アクリル塗料 | 5年 | 1,400円 |
ウレタン塗料 | 10年 | 2,000円 |
シリコン塗料 | 10~15年 | 2,500円 |
ラジカル制御形塗料 | 12~15年 | 3,000円 |
フッ素塗料 | 15~20年 | 4,000円 |
光触媒塗料 | 15~20年 | 4,500円 |
無機塗料 | 20~25年 | 5,000円 |
アクリル塗料は最も安価な塗料ですが、耐用年数が短いため、次の塗り替え時期が早いというデメリットもあります。
一方の光触媒塗料や無機塗料は単価がアクリル塗料の3倍以上ですが、耐用年数が長いため、長い目で考えるとお得になる場合も。
このように、同じ20坪でも使用する塗料によっては見積もり金額が全く異なることもあります。
ただ、ほとんどの外壁塗装では、コストパフォーマンスに優れたシリコン塗料が使われています。
ですので、本記事ではシリコン塗料を使った工事を対象とし、その結果が「外壁塗装20坪の費用相場は約58万円」となりました。
20坪台の外壁塗装施工事例
続いて、延床面積20坪台の外壁塗装施工事例をいくつかご紹介します。エリアや築年数、外壁材などの違いも参考にしてみて下さい。
外壁塗装費用:65万円(愛知県 戸建 23坪)
住所 | 愛知県名古屋市名東区 |
---|---|
築年数 | 築15年 |
外壁面積 | 91.1㎡ |
外壁材 | 窯業系サイディング |
塗料グレード | シリコン塗料(溶剤系2液型) |
その他 | シーリング打ち直し、下地補修2カ所 |
工期 | 3週間 |
外壁塗装費用:62万円(東京都 戸建 24坪)
住所 | 東京都世田谷区松原 |
---|---|
築年数 | 築12年 |
外壁面積 | 95㎡ |
外壁材 | 窯業系サイディング |
塗料グレード | フッ素塗料(溶剤系2液型) |
その他 | シーリング打ち直し |
工期 | 2週間 |
外壁塗装費用:70万円(神奈川県 戸建 26坪)
住所 | 神奈川県川崎市宮前区 |
---|---|
築年数 | 築18年 |
外壁面積 | 103㎡ |
外壁材 | 窯業系サイディング |
塗料グレード | シリコン塗料(水性) |
その他 | シーリング打ち直し |
工期 | 2週間 |
外壁塗装は色選びで費用が高くなる?
使用する塗料(グレード)の違い以外にも、相場よりも安くなったり、高くなったりする場合があります。その一例が「色」です。
新築時と同じ色にしてみたり、雰囲気をガラリと変えてみたりと、外壁の色選びは外壁塗装の醍醐味。お客様の意見が目に見えて反映される、唯一の楽しみかもしれません。
メインはこの色、1階はこれで2階はこれのツートンカラー、幕板はこの色、雨戸はこの色で、軒天井はこの色、雨樋はこの色にしよう!
イメージを膨らませながら色選びをしている姿は、実に微笑ましい光景です。しかし、塗装業者は心の中ではこのように思っています。
オシャレですね〜(そんなに色使ったら高くなっちゃうよ…)
ついついこだわりを詰め込みすぎて、使用する色の数が増えた…つまり、使用する塗料の種類が増えると材料費も膨らんでしまう。これが意外と見落としがちなミスです。
あとは、珍しい色を選ぶ際も注意した方がいいでしょう。
塗料メーカーが取り扱っていない色に関しては、数種類の塗料を混ぜて特定色を作り出す「調色」という作業が必要になります。
調色には技術と経験が求められるため、誰でも出来る訳じゃありません。
そのため、外国人実習生や若い職人を使って、人件費のコストカットをしている業者にとっては苦しい要望。調色のために、ベテラン職人を日雇いするケースも実際にあります。
見積書に「調色手数料」なんて記載する業者は聞いたことありませんが、ベテラン職人を雇った人件費分だけ、見積もり費用が高くなってしまうことも十分に考えられます。
ですので、外壁塗装を安く済ませたいなら、こだわりを捨ててシンプルな色を選ぶこともポイントとなります。
何階建てかによって異なる塗装費用
外壁面積は平屋でも2階建でも3階建でも、延床面積に応じて一定です。しかし、注意したいのが足場面積。同じ延坪20坪でも、平屋、2階建、3階建では足場費用が異なります。
階層 | 延床面積 | 外壁面積の目安 | 足場面積の目安 |
---|---|---|---|
平屋 | 20坪(66㎡) | 79.2㎡ | 118.8㎡ |
2階建 | 20坪(66㎡) | 79.2㎡ | 132.0㎡ |
3階建 | 20坪(66㎡) | 79.2㎡ | 184.8㎡ |
一般的な相場は、2階建を想定して算出されていますが、平屋や3階建だと微妙に金額が異なるので注意しましょう。
屋根塗装もお願いする場合、延床面積20坪だと屋根面積は平屋だと広くなり、3階建だと狭くなります!
外壁の補修工事が必要になると費用が高くなる
新築から20年以上経って、今回、はじめて外壁塗装を依頼する方も多いはず。
そういった方は、まず外壁や屋根に「剥がれ」や「ひび割れ」といった破損箇所がないか確認して下さい。
もし、破損している箇所がある場合は、補修工事が必要になり、相場よりも若干高額になるかもしれません。
外壁塗装は下地が一番大事。仕上がりを良くするためにも、まずは破損箇所の修復が必要です。
補修工事をしないで塗装したらどうなるの?
破損個所から塗装の色あせが広がったり、塗膜が剥がれたりします!
塗装直後はキレイに見えても、破損箇所がそのままの状態だと、そこから色あせが広がっていき、やがて塗膜の剥がれに繋がります。
さらに放っておいた「剥がれ」や「ひび割れ」が悪化すると、最悪の場合、雨漏りの原因に。
破損箇所がある場合、塗装よりも補修工事が最優先です。外壁塗装や屋根塗装を業者にお願いする際は、ついでに劣化状態も見てもらいましょう。
立地環境で外壁の劣化状況は異なる
外壁塗装や屋根塗装は、立地環境によって工事内容を検討すると良いでしょう。
例えば、海沿いのエリア。潮風による塩害は、建物にとっても相当なダメージとなります。
外壁材や屋根材は塩害の影響を受けやすいため、定期的に塗装をして、腐食から保護することをおすすめします。
外壁に付着したコケやカビは湿気が原因。隣の建物との距離が数センチしか空いていない市街地では、常に湿気が溜まりやすいく、外壁が汚れやすい環境となっています。
また、幹線道路や高速道路といった車の交通量が多い道沿いは、排気ガスによる黒いスス汚れが目立ちます。
こうした汚れは、外壁が劣化する原因となります。汚れを綺麗に落とすバイオ高圧洗浄や、汚れが付きにくい特殊塗料なども有効的です。
立地環境に適した塗装工事を検討しましょう!
外壁塗装業者に直接依頼するのが最安値
最近では、ホームセンターや家電量販店でも、外壁塗装工事を行なっていますね。有名な企業だし、いつも買い物に行くから安心できるという理由で、お願いする方も多いことでしょう。
しかし、実際のところは工事の全てを下請け業者に委託しているってご存知でしたか?
ホームセンターや家電量販店が行うのは窓口業務だけ。お客様の要望を聞いて、あとは提携する近くの外壁塗装業者に丸投げです。
それでもって、仲介マージンが発生するため、外壁塗装業者に直接依頼するよりも高くなってしまいます。
マージンが上乗せされるので、相場より安くなることは絶対にありえません。ですので、外壁塗装を行う際は、ホームセンターや家電量販店ではなく、外壁塗装業者に直接依頼しましょう!
外壁塗装費用の簡易的な見積もりができる計算式
次は計算式を使って、外壁塗装の費用を調べていく方法です。こちら、塗装業者が概算見積もりを作成する際に使っている計算式になります。
計算式といっても難しいことはありません。数字を当てはめながら電卓を打つだけ。とても簡単です。
この計算式を使えば、21坪、22坪、23坪…といった、より細かい条件で簡易的な見積もりを計算することができます。
1. 外壁面積を計算する
まずは外壁面積を求める計算です。計算式は以下になります。
- 3.3=1坪が3.3㎡だから
- 1.2=外壁塗装工事の係数が1.1~1.3のため平均で1.2を使用
建物の延坪が20坪であれば、外壁面積は「79.2㎡」となります。同様に21〜29坪の外壁面積を計算した結果が以下。
坪数 | 外壁面積 |
---|---|
20坪 | 79.2㎡ |
21坪 | 83.1㎡ |
22坪 | 87.1㎡ |
23坪 | 91㎡ |
24坪 | 95㎡ |
25坪 | 99㎡ |
26坪 | 102.9㎡ |
27坪 | 106.9㎡ |
28坪 | 110.8㎡ |
29坪 | 114.8㎡ |
足場面積を計算する
次に足場面積。どれくらいの規模の足場が必要になるかを求める計算する式で、何階建かによって係数が異なるので注意して下さい。
- 3.3=1坪3.3㎡
- 1.8、2、2.8という数字はそれぞれ足場面積の係数です
上記の計算によって、延床面積20坪の建物の足場面積は、平屋で「118.8㎡」、2階建で「132㎡」、3階建で「184.8㎡」となります。こちらも20坪台で一覧を表にまとめてみました。
坪数 | 平屋の足場面積 | 2階建の足場面積 | 3階建の足場面積 |
---|---|---|---|
20坪 | 118.8㎡ | 132㎡ | 184.8㎡ |
21坪 | 124.7㎡ | 138.6㎡ | 194㎡ |
22坪 | 130.7㎡ | 145.2㎡ | 203.3㎡ |
23坪 | 136.6㎡ | 151.8㎡ | 212.5㎡ |
24坪 | 142.6㎡ | 158.4㎡ | 221.8㎡ |
25坪 | 148.5㎡ | 165.0㎡ | 231.0㎡ |
26坪 | 154.4㎡ | 171.6㎡ | 240.2㎡ |
27坪 | 160.4㎡ | 178.2㎡ | 249.5㎡ |
28坪 | 166.3㎡ | 184.8㎡ | 258.7㎡ |
29坪 | 172.3㎡ | 191.4㎡ | 268.0㎡ |
単価表を使って合計を計算する
計算式によって、外壁面積と足場面積の目安が分かりました。そしたら、最後は単価表を参考に見積もりを作成してみましょう。
以下は、延床面積20坪(2階建)の場合の見積もりです。単価は過去に取材した塗装業者34社の平均値を参考に作成しました。
「足場」と「メッシュシート(飛散防止)」は足場面積で計算、その他は外壁面積で計算します。
項目 | 単価(㎡) | 費用 |
---|---|---|
足場 | 600円 | 79,200円 |
メッシュシート(飛散防止) | 100円 | 13,200円 |
高圧洗浄 | 200円 | 15,840円 |
養生 | 200円 | 15,840円 |
下塗り(シーラー) | 800円 | 63,360円 |
中塗り(シリコン塗料) | 2,500円 | 198,000円 |
上塗り(シリコン塗料) | 2,500円 | 198,000円 |
合計 | 583,440円 |
一般的なシリコン塗料(2500円/㎡)を使った場合、20坪の外壁塗装の見積もり費用は約58万円という結果になりました。
本記事の冒頭で述べた「外壁塗装20坪の費用相場は約58万円」とほぼ同額となりましたね。
同様に、2階建の21〜29坪の場合の見積もりも計算してみました。
坪数 | 概算費用 |
---|---|
20坪 | 583,440円 |
21坪 | 612,612円 |
22坪 | 641,784円 |
23坪 | 670,956円 |
24坪 | 700,128円 |
25坪 | 729,300円 |
26坪 | 758,472円 |
27坪 | 787,644円 |
28坪 | 816,816円 |
29坪 | 845,988円 |
以上が、20〜29坪の見積もり費用で費用相場になります。
今回ご紹介した計算式は、業者も見積もり作成で使用する計算式です。この計算式さえ理解しておけば、少なくとも悪質業者に騙されることはないでしょう。
ただし、上記は外壁塗装だけの費用計算になります。必要に応じてシーリング打ち替え、付帯塗装、下地補修といった費用が別途追加となります。
逆に、割引キャンペーンの適用や値引き交渉で、相場よりも安くなるケースもあるので、正確な費用が知りたいという方は、業者に見積もりを依頼したほうが手っ取り早いでしょう。
相場を気にするより見積もってもらえば確実
外壁塗装を検討しはじめると、皆さん、まずは相場を気にする方が多いんですよね。
でもやっぱり、相場はあくまで目安でしかなく、その値段のとおりに外壁塗装が出来るという確証はありません
当たり前ですが、お家は一軒一軒違います。お家の形が違えば、窓の数や位置も違います。足場だって、どう組むかによって費用が異なります。
もし、実際に外壁塗装の費用を知りたいなら、業者に見積もってもらえば確実です。見積もりだけなら無料ですし、自分でアレコレ計算する必要もありません。
外壁塗装業者はどうやって探せばいい?
ホームセンターや家電量販店は相場より高いのでダメ!リフォーム工務店も結局は外壁塗装業者に委託するため、仲介手数料が掛かってしまいます!
ですので、外壁塗装や屋根塗装を安く済ませたいなら、お近くの外壁塗装業者に依頼しましょう!
外壁塗装業者に直接依頼すれば、地域差安値となります!
でも、外壁塗装業者ってどうやって探せばいいの?
インターネット検索やチラシをチェックするのは、なかなか面倒ですよね!また、外壁塗装は、最低でも3社以上に見積もりを依頼して、金額や施工内容を比較することが大切です!
ですが、1社1社に問い合わせて、電話に出て、見積もり日時を調整して、選ばなかった業者に断りの電話をして…と、かなり面倒ですよね!
平日は仕事で忙しいし、休日はゆっくり休みたいから、そんな時間はないんだよなぁ~
親切に対応してくれたから断りの電話って苦手で…
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