外壁塗装でシリコン塗料の費用相場は?単価と見積もり例を公開します

外壁塗装でシリコン塗料の費用相場は?単価と見積もり例を公開します

この記事を書いた人

尾崎シゲル 尾崎シゲル 株式会社トラスト 代表

塗装職人27年、リフォーム工務店の営業5年の経歴を持つ外壁塗装専門家で自称「外壁塗装マニア」。現在は外壁塗装の業者紹介サイト「ガイマニ」の運営代表責任者・アドバイザーを担当。プロ目線で外壁塗装の情報発信を行っています。

外壁塗装を業者に依頼する際に、施主様はどんな塗料を使用するかを選択することが出来ます。そして、塗料選びで必ず候補に上がってくるのが「シリコン」です。

シリコンは価格の安さと耐久性の高さのバランスがとても良く、外壁塗装で最も選ばれている塗料です。塗料として使われるようになって70年以上経った現在も、外壁、屋根、付帯部など様々な塗装に用いられており、施主様だけでなく塗装職人にも人気です。

私も現役の塗装職人だった頃は、外壁塗装工事のほとんどでシリコンを使っていました。

そこで今回は、外壁塗装をシリコンで塗装した場合の費用相場について、元職人の尾崎シゲルが詳しく解説していきます。

尾崎シゲル

シリコン塗料を徹底解剖!この記事さえ読めば、シリコン塗料のことが全て分かります!

外壁塗装って助成金が使えるの?

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目次

シリコン塗料メーカー別単価表

スクロールできます
製品名メーカー耐用年数水性/油性単価(㎡)
セラミクリーンエスケー化研8〜10年水性2,350円
DANシリコンセラ日本ペイント8〜10年水性1,685円
水性シリコンセラUV日本ペイント7〜8年水性2,055円
ファインシリコンフレッシュ日本ペイント10〜12年油性(溶剤系2液型)1,970円
クリーンマイルドシリコンエスケー化研12〜15年油性(溶剤系2液型)2,380円
シリコンフレックス2アスティックペイント12〜14年水性2,000円
ハナコレクション100水性日本ペイント7〜13年水性1,865円
ハナコレクション100ファイン日本ペイント7〜13年油性(溶剤系1液型)1,930円
ハナコレクション200UVファイン日本ペイント7〜13年油性(溶剤系2液型)2,235円
水性セラミシリコンエスケー化研12〜15年水性2,060円
ナノコンポジットW水谷ペイント12〜15年水性3,000円
セラMシリコン3関西ペイント12〜15年油性(溶剤系2液型)3,000円
アートフレッシュエスケー化研10〜12年水性2,730円
シリコンテックス関西ペイント8〜10年水性2,750円
クリーンSDトップエスケー化研12〜15年油性(溶剤系2液型)2,100円
ハイパーユメロックロックペイント8〜12年油性(溶剤系2液型)2,300円
シリコンREVO1000アスティックペイント13〜16年水性2,100円
オーデフレッシュSi100III日本ペイント12〜15年水性1,750円

シリコン塗料の平均単価は2500円

シリコン塗料の平均単価は、平方メートル(㎡)あたり2500円です。安価なものから高機能の製品まで、各メーカーから様々な種類のシリコン塗料が発売されていますが、シリコンで概算見積もりを作成する際は「2500円/㎡」で計算すると良いでしょう。

尾崎シゲル

私が勤めていた塗装会社では、シリコン塗料を使う場合、単価2500円で見積もりを作成していました!

シリコン塗料を使った外壁塗装の費用相場は?

シリコン塗料を使った外壁塗装の費用相場は、延床面積30坪だと約87万円、40坪だと約116万円になります。以下、延床面積ごとの費用相場になります。

延床面積(坪)費用相場
20坪58万円
30坪87万円
40坪116万円
50坪145万円
60坪175万円

上記は「外壁塗装+足場費用」のみの金額になりますので、その他にコーキング打ち替えや付帯塗装を行う場合は更に高額になります。

シリコン塗料を使った外壁塗装の見積もり例

続いて、シリコン塗料を使った場合の見積もり例をご紹介します。延床面積は35坪で外壁面は「118.8㎡」、足場面積は「198㎡」で見積もりを出しています。その他、コーキング打ち替えや付帯部塗装も含まれているので、先ほどご紹介した相場よりも若干高額になっています。

スクロールできます
項目単価単位数量金額
足場600198118,800
メッシュシート10019819,800
高圧洗浄200118.823,760
養生200118.823,760
外壁塗装:下塗り(シーラー)800118.895,040
外壁塗装:中塗り(シリコン塗料)2,500118.8297,000
外壁塗装:上塗り(シリコン塗料)2,500118.8297,000
付帯部塗装(破風・鼻隠し・軒天)1,0008080,000
付帯部塗装(雨樋・水切り)1,000m8080,000
付帯部塗装(雨戸・戸袋)1,5001218,000
コーキング打ち替え800m10080,000
合計1,133,160

外壁塗装を一通りお願いする場合、これくらいの金額になるでしょう。ただ、業者によって値引きを行なっている場合もあります。また、自治体の助成金などを活用すれば20〜50万円ほど安くなるケースもあります。

シリコン塗料を使った外壁塗装の施工事例

シリコン塗料を使った外壁塗装の施工事例をご紹介します。エリアや築年数、外壁材などの違いなども参考にしてみて下さい。

外壁塗装費用:105万円(埼玉県 2階建戸建 34坪)

シリコン塗料を使った外壁塗装の施工事例
住所埼玉県川口市上青木
築年数築14年
外壁面積140㎡
外壁材窯業系サイディング
塗料グレードシリコン塗料(水性)
その他コーキング打ち替え・付帯部塗装
工期3週間

外壁塗装費用:100万円(神奈川県 2階建戸建 35坪)

シリコン塗料を使った外壁塗装の施工事例
住所神奈川県藤沢市湘南台
築年数築19年
外壁面積135㎡
外壁材窯業系サイディング
塗料グレードシリコン塗料(水性)
その他コーキング打ち替え・付帯部塗装
工期2週間

外壁塗装費用:120万円(愛知県 2階建戸建 38坪)

シリコン塗料を使った外壁塗装の施工事例
住所愛知県名古屋市名東区
築年数築16年
外壁面積152㎡
外壁材窯業系サイディング
塗料グレードシリコン塗料(溶剤系2液型)
その他コーキング打ち替え・付帯部塗装
工期2週間

シリコン塗料はコストパフォーマンスに優れている

外壁塗装では「シリコン」と言われていますが、正式には「アクリルシリコン」になります。アクリル樹脂にケイ素が主体となったシリコン樹脂を混ぜたもので、アクリル塗料の進化版といったところでしょうか。

シリコン塗料は、塗装後に樹脂が表面に浮き上がり、丈夫な皮膜が形成されます。この皮膜により、塗膜の表面は高い耐久性と防汚性を実現しています。

安価な「アクリル塗料」や「ウレタン塗料」といったグレードに比べて、耐候性、耐熱性、耐水性、防カビ性、防湿性、防汚性といった機能面でもシリコン塗料は優れています。

グレード耐用年数単価(㎡)
アクリル塗料5年1,400円
ウレタン塗料10年2,000円
シリコン塗料10~15年2,500円
ラジカル制御形塗料12~15年3,000円
フッ素塗料15~20年4,000円
光触媒塗料15~20年4,500円
無機塗料20~25年5,000円

「フッ素塗料」や「ラジカル制御形塗料」には機能性で劣るものの、耐用年数と価格のバランスが取れており、コストパフォーマンスに優れているシリコン塗料は外壁塗装で人気の塗料。

リフォーム経済新聞のアンケート調査結果によれば、外壁塗装で使用される塗料の約8割がシリコンとなっています。

外壁塗装の塗料は何を選びましたか?:リフォーム経済新聞
引用元:リフォーム経済新聞

シリコン塗料の歴史

シリコン塗料の歴史は意外にも古く、昭和15年(1940年)に東京芝浦電気(現:東芝)が研究をはじめ、昭和28年(1953年)に一般用として発売が開始されました。

シリコン塗料の歴史:東京芝浦電気
当時の東京芝浦電気(現:東芝)

外壁や屋根の塗装として採用された歴史が長いため製品としての品質が安定しており、信頼できる塗料となっています。業者による施工実績も豊富で、ほとんどの業者が扱っているというのもメリットでしょう。

シリコン塗料は家全体の塗装に使える

シリコン塗料は家全体の塗装に使える

シリコン塗料は外壁用以外にも、屋根用、金属用、プラスチック用とバリエーション豊か。そのため、外壁以外の屋根や付帯部、コンクリート塀といった塗装も全てシリコンで統一できます。

家全体の塗装をシリコン塗料で統一することで、塗装の劣化スピードも同じになります。次回、十数年後のメンテナンス時期に、外壁、屋根、付帯部の塗装を同時に行うことができ、結果的にコストカットになります。

また、シリコン塗料で統一すれば職人も作業がしやすくなり、それが仕上がりの違いにもつながっていく場合もあります。

シリコン塗料は含有量が高い大手メーカーを選ぼう

シリコン塗料は含有量が高い大手メーカーを選ぼう

外壁塗装はシリコンで!と決まっても、今度はどのメーカーの塗料にするかで迷うことでしょう。価格、耐用年数、色、ツヤ、いろんな種類があってどれを選ぶべきか分からない。なので、業者がおすすめするメーカーで…と決めてしまうのはとっても危険!

シリコンに限らずあらゆる塗料には含有量という指数が存在します。その塗料にどれだけの主成分(シリコン樹脂)が含まれているか判断する基準になります。

シリコン樹脂の含有量が高い塗料ほど、高耐久、低汚染、防カビ、防藻、透湿、微弾性などの性能に優れている高品質な塗料ということになるのですが、この含有量はメーカーによってピンからキリまで。同じシリコン塗料でもメーカーごとに価格差があるのは、基本的に含有量の違いによるものなんです。

歴史の長いシリコン塗料、今や様々な企業から製品が発売されています。大手メーカー以外にも、聞いたことないメーカー、塗装会社が作ったオリジナル塗料なんてものもあります。

シリコン塗料の含有量のボーダーラインですが、20%未満は避けた方がいいでしょう。塗膜が硬い為ヒビ割れしやすくなっています。最低でも含有量20%以上、出来れば含有量45%以上の高品質な塗料をおすすめします。

が、しかし!ほとんどのメーカーは塗料のカタログに含有量を記載していません。そのため、業者すら正確な数値は把握していないんです。ですので、

  • エスケー化研」や「日本ペイント」といった大手メーカーの塗料を選ぶ
  • 業者がオリジナルで販売している塗料は避ける
  • 極端に単価が安い塗料は絶対に選ばない

以上のことを注意すれば大丈夫でしょう。

水性塗料と油性塗料の違いとは?

外壁や屋根を塗装する塗料には水性油性(溶剤系)があります。

水性塗料は、臭いが少なく、保管が楽というメリットがある一方、油性塗料に比べて耐久性が僅かに短く、素材によっては塗装できない場合がある、気温や気候によって施工できないというデメリットがあります。

油性塗料は、水性塗料に比べて耐久性が僅かに高く、気温や気候に左右されずに施工が行えるというメリットがありますが、揮発油を溶剤として利用するため塗料の臭いが強いというデメリットがあります。

メリットデメリット
水性塗料臭いが少ない
扱いやすい
耐久性がやや劣る
塗装箇所が限定される
気温や気候の影響を受けやすい
油性塗料耐久性が高い
気温や気候に左右されず施工できる
臭いが強い

なお、水性塗料と油性塗料の価格差はほとんどありません。どうしても臭いが嫌だといったメリットとデメリットで選ぶと良いでしょう。

1液型塗料と2液型塗料の違いとは?

外壁や屋根を塗装する塗料には1液型2液型があります。

1液型の塗料は、缶に入った液体をそのまま塗料として使えるものです。塗料を薄める際は水やシンナーを使います。1液型塗料のメリットは価格が安く、硬化剤を混ぜ合わせる必要がないため扱いが楽で、余っても次回に使えるという点。デメリットは2液型塗料に比べて耐久性が低いこと、塗装箇所が限られることです。

2液型の塗料は、主材と硬化剤の2缶に分かれており、2種類の液体を混ぜ合わせることで塗料として使えるようになります。塗料を薄める際は、2種類の液体を混ぜ合せた後に水やシンナーを使います。2液型塗料のメリットは耐久性が高いということ。主材と硬化剤を混ぜ合わせて作ることで化学反応が起き、高い密着性や塗膜性能が発揮されます。また、1液型塗料では使用できない場所でも使えるケースがあります。デメリットは、主材と硬化剤の2液を混ぜ合わせる工程が面倒だということ。分量をきっちり量る必要があるため手間と時間がかかります。また、硬化速度も早いため残った塗料は破棄となり、コストがかかります。

メリットデメリット
1液型塗料価格が安い
扱いが容易
長期保存が可能
耐久性が劣る
塗装箇所が限定される
2液型塗料耐久性が高い
様々な素材に塗装可能
扱いが難しい
準備に手間と時間を要する
余った塗料は使えない
尾崎シゲル

ちなみに、シリコン塗料の場合は、油性(1液型)、油性(2液型)、水性(1液型)の3種類しかなく、大抵の場合は水性(1液型)か油性(2液型)になり、扱いやすくて安価な水性(1液型)が最も多く選ばれています!

外壁の塗回数は必ず3度塗り

見積もりを確認する際は塗回数に注意して下さい。外壁塗装の基本は3度塗りです。

まずは、外壁材と塗料の密着性を高めるためにシーラーと呼ばれる下塗りを行います。シーラーは透明であったり白色の場合はほとんど。これが1度目。

次に中塗りを行います。中塗りでは選んだシリコン塗料を使います。これで2度目。

最後に上塗り。中塗りと同じ塗料(作業を明確にするため色違いを使う場合もある)を使って仕上げとなります。これで3度目。

上記の下塗り、中塗り、上塗りの3度塗り工程を行うことが外壁塗装のスタンダードであり常識。逆にこれが1度塗りや2度塗りの場合は施工不良を疑った方が良いでしょう。

1度塗りで見積もりを出せば費用が安くなり見積書の見栄えも良くなりますが、塗回数が少ないと塗膜が薄くなり外壁の劣化も早くなります。外壁塗装の項目があまりにも安い場合は、塗回数を疑いましょう。

尾崎シゲル

見積書に塗回数の記載がない場合は、担当者に内訳を質問してみるといいでしょう!

外壁の劣化があると費用は更に高くなる

外壁の劣化があると費用は更に高くなる

「新築以来、外壁塗装なんて一度もやったことない」
「所々塗装が剥がれていたり、ひび割れしてる箇所がある」

何も珍しい話じゃありません。定期的に外壁をメンテナンスしているお家の方が圧倒的に少ないわけですから。

尾崎シゲル

私の実家も築25年目にして初めて外壁塗装しましたからね笑

ただし、「塗装剥がれ」や「ひび割れ」といった外壁の劣化が見られる状態で塗装を頼む場合は、それなりの覚悟が必要。絶対に見積もり費用は高くなりますから。

外壁塗装は下地が肝心です。まずは「塗装剥がれ」や「ひび割れ」を直す「補修作業(下地調整)」が必要となります。

この「補修作業(下地調整)」をケチると、塗装後、数日間はキレイに見えても、数ヶ月後に塗装が剥がれたり、ひび割れたりと、せっかくの外壁塗装が無意味になります。

尾崎シゲル

補修作業(下地調整)だけはケチっちゃダメ!

外壁をシリコンで塗装した相場まとめ

最後に、外壁塗装リフォームをシリコン塗料で行った場合の相場まとめ。坪ごとの相場は以下になります。

延床面積(坪)費用相場
20坪58万円
30坪87万円
40坪116万円
50坪145万円
60坪175万円

ただ、こちらはあくまで相場の目安であって正確な見積もり金額ではありません。

外壁塗装工事は千差万別。建物は一軒一軒違います。外壁材や窓の位置、数、条件、外壁の劣化状態も全く異なります。実際に現場を確認しなければ、完璧な見積もりは不可能です。

ですので、業者にご自宅を見てもらって、見積もりを作成した方が確実だと思いませんか?

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尾崎シゲル

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リフォーム工事のなかでも、外壁塗装は費用が不明確な工事。依頼する業者によっては50万円以上の差が出ることもあります。

ですので、外壁塗装や屋根塗装を行う際は、必ず複数業者から見積もりを取って比較することが大切。そうすれば、外壁塗装で損することは絶対にありません!

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